認識が誤っていた?/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 以前、「中学生になる前にやっておきたいこと」と題したブログ記事を書いたことがありました。詳しくはこちらをご覧ください。書いたのはおよそ5年前です。その記事で書いた、小学生の各段階でやっておきたいことをこちらでも引用しますと、

 

小学校低学年

①平仮名、カタカナを正確に書く練習をすること。特にカタカナの「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」は明確に書き分けられるようにすること。

②数の合成、分解を具体物を使って学ぶこと。

③繰り上がりのある足し算、繰り下がりのある引き算の計算練習を徹底すること。

④九九を完璧に覚えること。順番に答えを導き出せることをもって「できる」と認識しないこと。

 

小学校中学年

①徐々に習う漢字が増えるため、わからない漢字を増やさないようにすること。又、極力漢字で書く習慣をつけておくこと。

②わからない言葉の意味を国語辞典を使って調べられるようにするため、辞典の使い方を覚えること。

③住んでいる地域に関心を持つようにすること。できれば、この時点で都道府県名と位置を覚えておくのが望ましいので、地図の使い方を覚えておきたいところ。

 

小学校高学年

①割合の概念を理解すること。

②速さと時間、距離の関係を理解すること。

③分数の通分、約分を理解すること。

④単位量あたりの計算の意味を理解すること。

 

以上です。時間の計算を入れるべきだったかな?とは思うものの、5年経った今も、これができていて欲しいという理想としては基本的に変わっていません。しかし、コロナ禍を経験して感じるのは、これらは理想としては正しくても、現実に全ての小学生に求めるのは誤りなのかもしれないということです。

 

 先日、X(旧ツイッター)で画像のポストをしましたところ、思いがけず多くの反応がありました。Xは日常の一コマを直感的に書いていることが多いので、時々真面目なことを書いてもいつもはあまり反応がないのですが、どうでしょう、反応が多かったということは同様に感じている人が少なくないからなのでしょうか。

 

 以前から九九が怪しい子とは出会ってきましたが、最近は単純な足し算引き算の計算をよく間違えるといった事例が増えているのではないかと感じています。気のせいだと思いたいのですが、間違っている計算の途中式をよく見ると、本当に単純な足し算引き算で間違えているのです。「いやいや、人間、誰でも単純なミスはありますよ」と言いたいところではあるのですが、どうもそういうものとは趣が異なると感じるのですね、上手く言葉で説明できないのがつらいところですが。例えば、1から計算をやり直しさせても、やはり同じところで間違えます。これが単なる偶然であれば問題ないのですが、偶然ではないから困っているのです。

 

 中学生で数学が極端に苦手な場合、「小学生の算数の段階でつまずいてしまっているから」というのはよくある話です。この原因が、単純な四則計算を速く正確にできるようになるまで練習できていない、その練習に精神的に耐えられない(といっても学校配布のドリルを何度か反復する程度のことですが)、といったことにもあるのではないでしょうか。そういうこともあって、計算に時間がかかる、あるいは計算の正確性が乏しいといった生徒には、単純な四則計算の教材をできるだけ毎回1~2ページずつ(1ページあたり60問)、時間を計って取り組んでもらうようにしています。

 

 分数、割合、速さが理解できないまま中学生になる子は以前からいましたし、その割合が減ることは恐らくないでしょう。それらの指導はもちろんのこと、今後は今まで以上に単純な四則計算を重視していこうと考えています。たとえできると思っていても、中学生として求められるレベルに達していなければ、とにかく練習あるのみです。