今年も残すところあと僅か。大変お世話になりました。
ところで、当塾は設立初期の頃を除き、塾としての課題を出さない方針でいます。実際、今年も課題らしい課題は出しませんでした。そのことは当ホームページのトップページにも書いていますように、「学校の課題を最優先にして取り組むべきである」と考えているからです。先日ツイッターでも同様のことを書きましたが、課題を出さなくても、これまで多くの生徒が成績を向上させてくれました。学力向上のためには、量をこなすことは大切なことです。これを否定することはありません。しかしながら、当塾に通い始めたばかりの生徒は、1つ1つのことに意味を持たずに「ただこなしているだけ」の状態であることが多く、そこに意味を持たせることの方がより大切であるという認識でいます。
例えば、丸つけ(答え合わせ)1つを例にとりましても、惰性で行う子が決して少なくありません。本当は不正解であるのに、正解であると思い込んで、正解であると期待して、確認することもなく丸つけをしている子がいるのです。丸つけが終わると、再度間違えた問題を確認する、やり直すといったこともせず、次のことに進んでしまう子もいます。赤で答えを写しただけで「やり直しをした」と言う子もいます。色々いるんですね。
こういった子に最初から過度に負荷をかけることを、僕は適切なことだとは思いません。大人の感覚では「それくらい」と思うかもしれませんが、学校のワーク課題を終わらせるので精一杯の子が現実に結構います。そういった子に対して、学校の課題に加えて塾の課題を与えたとしても、負担が大きくなり過ぎてしまうのは防ぎたいですから。「学校の課題はちゃんと出しています」と言う子であっても、まずい取り組み方をしていることが少なくありませんし、上手に使いこなしているとは言い難いことが多いです。学校のワーク課題については、過去に当ブログでも触れたことがありますが、様々な意見があるのは承知していますし、僕自身も学力の差がついてしまっている中学生に一斉に課すことには懐疑的です。とはいえ、やらなければならないのであればやるしかありません。
こういったことから、当塾では難易度が標準的な学校のワークを中心とした学習に取り組んでもらっています(教科書改訂に伴い難化した英語については、学校のワークを補完する目的で全員に教材を配布しています)。学校のワークを軸にして、個々の事情に応じて必要な教材に取り組んでくれればいい、そう思っています。もちろん、必要以上にあれこれ教材を購入する必要もありません。どんなに優れた教材であろうと、結局は使用者の使用法が適切でなければ意味はありませんし、使用者のレベルに全く合っていない物であってもいけません。まずは既に持っている学校ワークを上手に活用できるようになること、そして確実に期限内に提出できるようになること。ここにこだわっています。当初は学校の課題すらなかなか終わらせられなかった子でも、中学を卒業する頃には自発的に取り組むようになってくれます。その時が来るまで信じて待つ。それが僕の役割であると思っています。
当塾は家では勉強できない、勉強が苦手な子のための塾です。来年も僕達と共に学ぶ仲間が来てくれることを願いつつ、1年を締めくくりたいと思います。皆様、良いお年をお迎えください。