思考と試行/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 ご無沙汰しています。先月1度ブログ記事を発表して以来、1か月半ぶりの更新になりました。

 

 ところで、近年は「思考力」が1つのキーワードとしてあらゆる場で叫ばれています。これは教育現場や入試に限った傾向ではなく、ビジネス書でもタイトルに「思考」あるいは「思考力」が含まれた書籍が多数あることから、年代を問わずにムーブメントになっていると考えて良いと言えるでしょうか。

 

 ここで、僕はこの「思考力」を育むこと自体を否定するつもりは全くないのですが、「思考力」という言葉が独り歩きしてしまっているのではないか?という疑問を持っています。思考を支えるのは知識であり、知識が極端に貧弱であれば上手く力を発揮し得ない、言わば両輪の存在です。思考するためには最低限の知識は必要不可欠であり、その知識を得るには「試行力」が求められるのではないでしょうか?

 

 先日、妻と共に運営しています幼児教室の参観の際、画像のホワイトボードを年長児(満5歳児)の保護者の皆様にご覧頂きました。日常的に多数の幼児を見ていますと、幼児の段階から過度に失敗を恐れ、一歩を踏み出せない子が一定数います。「失敗するからやらない」「失敗したくないから、先生手伝って」などなど。誤解なきよう書いておきますと、教室の中ではたくさん失敗したらいいですし、失敗することもまた経験として大切なことだと思っています。それに、僕達の幼児教室は小学校の先取りを目的とはしていません。家庭でもあるような物を教材、教具として用い、遊びの中から子供達の興味関心を引き出すことを中心に据えていますので。「とにかくやってみよう」、こう子供達に思ってもらいたいですから、毎回異なる内容を行いながら子供達の「試行力」向上を図っています。何事も、やってみないことには本当にできないかどうかなどわからないものですよね?

 

 年齢が上がった中学生になりますと、これまでに上手くいかないことが多かったからか、どこかで諦めの気持ちが大きくなってしまって、「とにかくやってみよう」という気持ちが益々小さくなってしまっていることがあるように感じます。テストでいくら「思考力」を問う問題が出るとわかっていても、知識を得、思考する前に試行するのをやめてしまっているとでも言いますか。日々中学生達が勉強している姿を見ていますと、「わからない」で手が止まっていることが多々。「どうして教科書を見てみようとしない?」「どうして図や表を書いてみようとしない?」「わからないと言う前に、何かやれることがあるんじゃないか?」、こういったやりとりが日常的に繰り広げられます。

 

 このようなことから、当塾では「思考力」よりもあえて「試行力」を育むことを今後一層重視していきます。とにかくやってみる。一歩を踏み出してみる。それが知識を強化させ、思考力を育むことに繋がると考えるからです。