1年を振り返って/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 なかなかブログを更新しないまま、大晦日を迎えてしまいました。本年も大変お世話になりました。ありがとうございました。大晦日ということで、1年を簡単に振り返ってみようと思います。

 

 この1年の大きな出来事と言えば、中学教科書改訂だったと思います。とりわけ、英語の教科書については、全国的にも多くの先生方がご意見を表明されていました。これまでも英語の学力には大きな差がありましたが、その差が更に拡大していくことを懸念しています。学習する単語数の大幅な増加、そして難易度の上昇。一昔前であれば高校生になってから覚えるであろう単語が、早々に登場する事態が発生しました。僕はこれまで、勉強が苦手な子を主として見ていますので、この英語の難化は英語の学力差を拡大させるのみならず、他の教科に充てるべき時間を減らすことに繋がりかねないと危惧しています。来年以降どうなるでしょうか?

 

 この英語問題に対応すべく、僕自身この1年は英語の復習に多くの時間を割きました。たくさんの本を買い、少しずつ読みました。その過程で、忘れていた単語を思い出したり、雑に覚えていた文法上の理論を改めて学ぶことができたと思います。同じような事柄を多くの本で読むうちに、覚えようと力んで覚えたというより、どちらかと言えば自然に覚えていたということが多かったと思います。触れる回数が増える訳ですから、ある意味当然と言えば当然のことと言えるかもしれません。

 

 しかし、生徒達の様子を見ていると、どうもそうではないのですね。同じ単語を10回くらい書いている。とにかく書く。でも成果は得られない。それはそうでしょう、その日だけの取り組みでは長期記憶などできるはずがないからです。極端なことを言えば、書く回数など最小限(1回でもいいし、書かない日があってもいい)で構わないので、長期にわたって触れ続けることが遥かに重要だと思うのです。題名は忘れてしまいましたが、以前読んだ本に「同じ単語を書き続けていると、途中から嫌になってしまって、何回目か書いた時には綴りを間違えてしまっていることもある。」といったことが書かれていました。確かにそうだな、と思いませんか?作業的に書き続けることに、何の意味があるのでしょう?

 

 とはいえ、これは彼らだけの問題ではないようにも思います。こうしたやり方で覚えようとする生徒と毎年出会うからです。量的な評価に慣れてしまい、ノートを埋めること=勉強、だと信じて疑わないのかもしれません。又、単語の練習をする時は1行同じ単語で埋めるように、といった指導を現実的にされてきています。ですから、そういったやり方は合理的とは言えないといくら伝えても、なかなか態度を変えようとしないのです。そして、勉強は何かしら書くこと、その足跡をノートに残すことだと思い込んでいるので、見る、読むといったことをとても軽視する傾向にあるように思います。書くよりもまずは見なさい、読みなさい、何度も書くより何度も見なさい、何度も読みなさい。そんなことを今月も何度となく言い続けました。

 

 学校ワークの取り組み方についても、単語学習と同様のことが言えるかもしれません。とにかくいきなり解こうとします。理解が不十分だろうと何だろうと。インプットが不十分であるのに、どうしてアウトプットできるのでしょう?提出の期限があるのはわかりますし、やらねばならないのはわかります。でも、わからないまま進めようとしたところで解くことはできないし、何度も止まってしまうだけです。であるならば、まずは教科書の該当箇所を読んでから取り組めば良いのに、読むことを軽視しているので、書かないと勉強している気がしないとでも思い込んでいるのかもしれませんね。実際、そういった話を聞いたことが何度もあります。

 

 当塾は宿題を基本的に出さない方針でいますが、この冬は中学生全学年に教科書の基本例文を覚えるようにと指示しました。3年生は受験が近づきつつありますが、基本的なことができないままいくら演習をしたところで無意味ですから、再度基本の確認のためです。1、2年生については、文法の確認と単語を覚え切ることを目的としています。この例文暗記について、生徒達に「何十回も書いて覚えようとしてはいけない。まずは読むこと。何度も何度も読むこと。書く回数は減らし、とにかく何度も読みなさい。そして、どのようにしたら覚えられるか、各自で工夫するように。くれぐれも○回書けば覚えられるなどと思わないように。」と釘を刺しておきました。その成果を年明けに披露してもらいますから、皆がどれくらい本気で取り組んでくれるか楽しみにしています。

 

 本年はもうすぐ終わりますが、来年も引き続き生徒達と共に修練していきたいと思っています。皆様におかれましては、良いお年をお迎えください。寒い日が続きますが、くれぐれもご自愛くださいますように。