当塾には「指定教材」というものがありません。生徒達が専ら使っているのは、学校指定の教材(ワーク)です。場合によって他の教材も使っていますが、その教材について、最近あることを考えるようになりました。
僕自身の話で恐縮なのですが、僕は濃い青系統、緑系統の色が多用されている本を全く受け付けません。以前、ある教材を読んでみたいと思い、実物を書店で見てみたのですが、残念なことに全てのページで濃い青色が使われていました。色使いが個人的に完全にNGだったものですから、結局買うのをやめました。書かれている内容で判断したのではありません。中身に辿り着く前に、読もうという気持ちを削がれてしまったのです。この本を出している会社の本は、他の本でも同様に濃い青系統の色を使っていることが多く、どうやら僕には合わないと判断しました。こればかりは仕方ありません。無理して読もうとしても、目が拒んでしまい、読み進めることができないのです。
最近、ある勉強をしているのですが、そこで感覚過敏について少し知りました。僕が濃い青系統の色が多用されている本を拒むのは感覚過敏だからだ、とまでは言いませんが、この感覚には個人差があり、他者がその感覚を理解するのは容易ではないと思います。
つまり、理解が不十分な箇所を補完する目的で使用をすすめる教材が、生徒にとって本当に使いやすいかどうか、それは必ずしも内容だけではないと思うようになったんですね。視覚的な話だけでなく、使われている紙の手触りもそうです。人それぞれで感覚は異なる訳ですから、生徒達には快適に使ってもらいたいので、今後おすすめする教材は選択できるようにしていこうと思うようになりました。
今年度になってから、中学生、高校生の教材を例年以上に買い込みましたが、まだまだ増やしていこうと思っています。それは、その生徒1人1人にとって最適な物を使ってもらいたいからです。内容が充実していることはもちろん重要ですが、今回書いてきたような視点もこれから大切にしていきたいと思っています。