昨日、岐阜県が独自の「出口戦略」を発表しました。報道によれば、県が選定した5つの基準を2週間程度連続で下回れば休業要請を段階的に解除し、逆に基準値を上回れば対策を強化するとのことです。現在はいずれの指標についても基準を下回っており、このまま行けば来月からの学校再開が現実味を帯びてきます。
しかしながら、仮に来月から学校が再開されたとしても、子供達にとっては3月からの3か月に及ぶ異例の長期休校が与えた影響は計り知れず、それは学習面だけに限ったことではありません。生活面にしてもリズムを崩してしまっている子が多数いるであろうと推測されます。しかも、他の自治体が既に発表している通り、夏休みがかなり限定された日数になることが予想されますので、ただでさえ休校疲れで生活リズムが狂っているところに季節的なものも重なって、心身の疲労が一気に爆発しないか懸念しています。
この休校は、学力上位の子供達にとってみれば、自分の目標に向かって勉強するにはまたとない機会であったように思いますが、中位以下の子供達にとっては元々勉強を限りなくゼロにしたいと思っていたところに、学校の休校に加えて塾の休業などで奇しくもゼロを実現してしまった感があります。そこに学校からは課題の山。休校前から自学自習の習慣があったかなかったかで大きな差を生んだのは間違い無いでしょう。上位の子供達は更に学力を上げ、中位以下の子供達はこれまでに習ったこともかなり忘れてしまっていると思います。これによって、学力分布が今まで以上にいびつなM字型になってしまう恐れもあります。学校が始まってからも、この期間を補うための「リハビリ」期間は相当必要だろうなと僕は思っています。
ただ、学校が始まってから「リハビリ」しようとしても、ただでさえ久々の登校で疲労するでしょうから、学校と同時進行の「リハビリ」は子供達のキャパオーバーになりかねません。とある学校の課題を見せてもらいましたが、授業なしでこれをやれって言うの?というのレベルのものがチラホラ見られました。教科書を見て自力でやりなさいでは、元々勉強が得意な一部の子を除けばとても無理です。誰かが傍にいて一緒にやってあげないと、とてもじゃないですがやれるレベルではないものが課題として出されているのです。補助者なしの自宅学習ですから、基本の事柄をしっかりと定着させることに重きを置けば良いのにな、と思いますけれども、学校としては苦渋の判断でそうせざるを得ない事情も理解はできます。であるならば、学校が再開する前に少しでも早く「リハビリ」を開始することが望まれると思います。
当塾は、今回のコロナ禍に関係なく、普段から学校の課題を最優先してきました。「塾なんだから塾のことを」とお考えの方もいらっしゃるとは思いますが、クリアしないといけないこと、つまり学校の課題を優先させないと、そのことで成績評価を落としたら意味がないという考えです。家でやりなさいと言ってやれる子ばかりではありません。今回の休校ではっきりと分かったという人もいらっしゃるかもしれませんが、小学校高学年や中学生にもなれば、学力に関係なく出される学校の一律課題を自力で終わらせることは、大人が考えるよりも遥かに難しく、子供達にとっては決して容易なことではないのです。今までの課題とて、答えを丸写しで提出する子ですらまだ良い方で、全く提出しなくても済んでしまっている子がどれだけいたことでしょう。ですから、一貫して「学校課題を優先して終わらせること」と言い続けた意味が、今改めて大きかったのだと思っています。
当塾は新型コロナウイルス感染拡大防止の対策をした上で、7日から授業を再開しました(詳しくはこちらから)。この状況下で大々的に生徒募集をするつもりはありませんが、補助者なしの状態での自宅学習には限界があるとも思います。当塾は塾とは言いましても、元々学習面より福祉面(言い方には語弊があるかもしれませんが)寄りで運営してきましたので、様々な個性の生徒が来てくれています。そのような事情がありますので、当然メインは学習面ではありますが、単に学習面での「場」を提供しているのではなく、「空間」もセットで初めて意味をなすという考えです。生徒を試験などで選抜していませんし、クラス分け、時間割、普段使う教材の指定もなく、平日はいつでも好きな時間にどうぞ、のスタンス。根底にあるのが、先にも書きましたように「学校課題を優先して終わらせること」「学校の課題をクリアして提出しよう」ですので、ガッツリ勉強しようというのとは意味合いが異なります。休校の「リハビリ」をするには最適であるように思いますし、何かしらお役に立てるのではないかと思います。
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