昨日、岐阜県公立入試の合格発表があり、公立を受験した当塾生徒全員が合格でした。これにて今年度の受験生全員の進路が確定。又、少し前のことになりますが、昨年11月末には当塾として初の大学合格者も出ました（※高校生は中学生の時から通塾していた生徒に限定しています）。受験生のみなさん、1年間お疲れ様でした。おめでとう！
ところで、僕は日頃からずっと「高校入試がゴールではない」ということを生徒達には言い続けています。高校入試が終わってしまえば、勉強しなくても良いことになるでしょうか？違いますよね。高校は何をしに行くところでしょうか？部活かもしれませんし、それ以外にもやりたいことはあるでしょう。でも、学校が学校である以上、勉強することが中心であることに変わりはないはずです。又、高校は義務教育ではありませんから、極端な話、中退することも自由です。やむを得ない事情があり、中退せざるを得ないことが今後ないとは限りません。誰しもあり得ることです。ただ、中退することを前提として入学するようなことはまずないでしょう。現実的な観点で考えても、社会として一般的に高卒以上の人材が求められているのですから、中退する自由はあっても、それを行使しなくても済むようにすることが望まれます。このことを忘れて欲しくはないのです。
合格は確かに尊いものです。今回、当塾の公立受験者は全員合格しましたが、その一方で悔し涙を流した子がいることもまた事実です。合格発表後すぐにこのようなことを書くのは不謹慎であると思いますが、合格はあくまでも希望した高校に入学することを許可されることであって、スタートラインに立つ権利を得たに過ぎません。むしろ、高校に入学してからどう過ごすのか、これこそが大事です。合格は価値あるものに違いはないですが、合格したらそれで終わりではないのです。合格して浮かれ過ぎていると、入試が終わってからも勉強し続けている不合格だった子にあっという間に抜かれてしまいます。特に下位合格者はそうなってしまうでしょう。中2後半とか中3になってから出会い、受験が終わった後「言われていたこと、確かにそうだと思いました」と言う子は毎年いますが、そう思うのであれば高校で同じ失敗を繰り返さないこと。大学進学や希望する就職を実現したいのであれば、ペースを崩さず勉強し続けること。受験の時に感じた、「あの時勉強しておけば良かった」「もっと早く気付くべきだった」といったことを、また次の進路を考えなければならない時に感じたいですか？勉強を特別なものにせず、日常の中に当然にあるものとして位置付けて欲しいと思います。
今年は受験前に異例とも言える新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための休校措置がとられ、現段階に至っても高校の入学時期が確定しているとは言えない状況です。今後益々感染が拡大すれば、本格的に授業が始まるのはゴールデンウィークが過ぎた後というのも全くゼロとは言い切れません。しかも、新型コロナウイルス感染拡大が続いていけば、今後数年は世界的に経済情勢が悪化するであろうことが予想されます。既に株式市場は大荒れの展開になっていますし、企業の倒産や規模縮小、それらに伴う人員整理、求人減少が現実的に考えられます。決して望ましい事態ではありませんが、厳しい状況の中で高校生活がスタートすることを忘れて欲しくありません。経済情勢が悪化すれば、ここ数年良かった高校生の就職も厳しくなる可能性があります。そうすると、就職希望だったのに就職先がないからと、急遽進学へと進路を変更せざるを得なくなるケースも出てきます。高校に入学する時点で、そういうこともある程度想定しておかないと、進路の変更に対応できなくなります。特に専門高校進学者は、進学の大半が推薦入学であることからも（普通科とは同じ教科であっても教科書そのものが異なり、一般入試には学校での履修内容だけでは対応がほぼ不可能）、入学時から評定平均を意識した方が良いでしょう。
合格して気を緩ませたいと思う気持ちはわかりますし、これまでやりたいことを我慢しながらの受験生活だったということもわかります。が、合格の余韻も程々に、次のステージに向けて歩みを進めて欲しいと願ってやみません。合格発表後すぐに書くべきではない内容も含みましたが、合格発表後の今だからこそ書くべきだと思って書きました。
最後に記しておきますが、当塾は開業以来、生徒や保護者にお話しすることはあっても、受験生の合格校を公表していません。僕自身が受験生の合格を「塾としての実績」とすることを好まないためです。受験の主役は受験生本人であり、塾は受験生を支える陰の存在だと考えています。そのような方針であるため、今年度も例年通り合格校の公表は行いません。悪しからずご了承ください。