漢字を覚える時、単に形だけを覚え、書くことができれば良いと思う人はまずいないでしょう。読み方もセットで、且つその漢字を使った言葉も2、3はついでに覚えておくものではないでしょうか?用例も一緒に覚えておかなければ、すぐに使いこなすことができませんからね。逆に言えば、漢字が苦手だという人は、これらの一連の流れが上手くできていないのだと思います。例として相応しいかどうかはわかりませんが、漢字テストのためだけに覚えるような覚え方、これは望ましくない。もっとも、そう言っている僕自身が中学生に毎週漢字テストに臨んでもらっているので、葛藤がない訳ではないです。答えだけ丸暗記するのはやめるように言っていますけど、書くことができなければ何も始まらない。かといって、意味を理解していなければ漢字だけ覚えても使うことができない。なかなかに難しい課題でもあります。
ところで、英単語がなかなか覚えられないという声は割と聞きます。それでどのように覚えようとしているのか確認してみると、高確率で同じ単語を何回も書いているだけ。しかもその日限りの。覚えられないのではなくて、覚え方が誤っているとしか思えないのです。覚えようと思ったら、やみくもに何回も書けば良いということではなくて、できるだけ触れる回数を増やすこと、イメージを残しておくことが大切です。その日限りではなく、何日にもわたって同じ単語を見ていれば自然と覚えていくだろうに、その日限りで何十回書いて覚えようとしても、人間の忘却機能によってあっさりと忘れてしまうのです。忘れないようにする、このことを意識しなければ覚えようと思っても覚えられないでしょう。
同時に、漢字では形だけを覚えるのではなく、読み方もセットで覚えているような生徒であっても、何故か英単語になると読み方を覚えようとせずに綴りだけ覚えようとするケースが散見されます。英語は言葉ですよね?綴りだけ無理やり覚えようとしたところで、はたしてそれに意味があるのでしょうか?英単語は「(声に出して)読める、(綴りを間違えずに)書ける、意味を理解している」が揃って「覚える」と言えるのだと思います。
普段使うことがない英語だからこそ、できるだけ触れる機会を自ら作り出し、忘れないようにすること、そして英単語を覚える時は「読める、書ける、意味を理解している」状態にしていけるような勉強をしていきましょう。基本的な英単語を覚えることをせず、英語ができるようになることはあり得ません。そのことはくれぐれも忘れないように。