これでいいのか?公教育/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 先日、都立高校に民間の個別指導塾が導入されるというニュース記事を見ました。僕は教育法規に全く明るくないので教育行政については素人ですが、素人目線でもこれには違和感を抱かずにはいられないんですね。都立高校とはいっても、導入されるのは世田谷区の松原高校と福生市の福生高校。近隣に塾や予備校がない訳でもないはずなのに、何故学校がそれをやらねばならないのか?地方や僻地ではなく、東京での話ですよ。私立高校ではなく、都立高校での話ですよ。だからこそ、余計にそう思わざるを得ないんですね。もし、松原、福生の両校で上手く機能すれば、他にも拡大していく可能性がある。特定の民間業者を利しても良いのでしょうか?甚だ疑問に思います。

 

 単純な話、何故民間業者を学校に入れる前に、高校教員が指導しないのか?という点がひっかかります。少し前にツイッターで発言したことでもあるのですが、部活指導はできて、補習指導はできない理屈が僕にはよくわからないんですね。休日である土日にも部活指導をする教員は現実にいます。教育法規の詳細はわからないですが、部活は絶対に各校になければならないものでもないようですし、時間外の部活指導は教員の本来業務ではないはずです。諸事情はあるのでしょうが、部活動のためなら本来業務ではなくても放課後や休日に指導を行うのに、どうして補習はできないのでしょうか?要するに、部活優先で学業を軽視しているとも言えるように思うんですね。

 

 極端な話、部活一切なし、これまで部活に使っていた時間を希望者対象の補習授業とする、という学校があっても良いような気がします。法令上それが許されるのかどうかはわかりません。ただ、部活指導が可能であるならば、教科の補習指導がダメな理屈がわからないと言っているのです。

 

 こういうと、「高校は受験指導をする場所ではない」といった意見が出そうです。もちろん、それはそうでしょう。受験指導をすることが高校の設置目的ではありません。そのことは承知しつつ、では何故多くの高校が対外的に卒業生の進路を公開しているのでしょうか?公開することによって、生徒獲得の「宣伝」に使っていますよね?受験指導はしないという建前論を展開しつつ、一方で卒業生の進路を公開して生徒を獲得しようとする。実際には、生徒の多くが塾や予備校に通っているかもしれないけれど、そのことには触れずにおいて。考えてみればおかしな話です。

 

 高校とはやや異なりますが、中学についても同様の疑問を持っています。先だっての大型連休の際、とりわけ野球部所属の生徒が連休の大半の日を部活に参加していたようでした。試合もあったようですが、試合以外は長時間の練習。部活でかなりの時間を拘束されながら、課題はドッサリ。学校は生徒をどうしたいのでしょうか?ここで、「部活は希望者がやっていることだから」という論が出て来るかもしれません。であるならば、勉強したいと希望した生徒のために、連休中に学校の教室開放したりしたんですか?と言いたいんですね。それならば筋が通ると思うんですよ。

 

 話は高校に戻ります。僕は部活否定派ではないし、積極的肯定派でもありません。部活の存在そのものを否定してはいません。ただ、教員が本来業務ではないはずの部活指導のために放課後や休日を使っていながら、他方で受験指導のために民間業者を学校に入れるということがまかり通るのはおかしくないか?と言いたいのです。

 

 民間で塾を運営している人間が言うのもおかしな話ですが、民間業者である特定の塾を学校に入れ、そこに公金を投入することの妥当性がはたしてあると言えるのでしょうか?こうしたことが進むようでは、公教育の在り方そのものが問われていくように感じます。