4月も半ばを過ぎましたね。新年度が始まったと思ったら、もう2週間以上が経ちました。あっという間、というのが僕の率直な感想です。とキョロキョロしていたらゴールデンウィーク。しかも今年は10連休ですから、下手するとここで一気にリズムが乱れちゃいます。乱れたリズムを取り戻そう、なんて思っていると、いつの間にやら今年度最初の定期テストの時期になります。いつも変わらない生活をする、これが本当に大事なんだと自覚しますよね。
ところで、年度最初の定期テストは、岐阜学区のおおよその中学校で6月に行われます。この6月のテストは、年間を通じて最も点数を取りやすいテストでもある、ということは間違いないでしょう。
何故なら、数学は全学年で計算問題がメインであり、苦手な子が多い関数や図形分野よりも遥かに取り組みやすく、2、3年生の場合には英語はまず前年度末に習ったことの復習から入るからです。英語と数学という最も差が開き、積み重ねがものを言う科目での取り組みやすさは、他の時期のテストに比して負担が軽いと言えます。
又、1年生の場合は各科目の導入部分に時間をかける都合上、テストの範囲がそれ程広くならず、且つどの科目も極めて基礎的な内容であるため、5教科合計の学年平均点が300点を超えることも何ら珍しいことではないのです。しかし、ここが落とし穴でもある、ということを、案外中学生やその保護者の方々は理解されていない。これが実は大きな問題なんです。
小学生の時にそこまで悪い成績ではなかったと自負する中学1年生は、6月のテストで極端に悪い点数にはならないように思います。どうでしょう、平均点近くにはなるでしょうか。しかし、これが問題なんですね。小学校のカラーテストは、満点近く取れることを想定して作られているため、平均的な得点率が6~7割程度だった子というのは、「そこまで悪い成績ではなかった」とは言えないのです。むしろ、何らかの問題を抱えている。点数だけ見れば確かにそこまでではないように感じてしまいますが、実際には授業内容の理解が不足しています。こうした自覚がないままに、甘い認識で中学校で最初の、しかも最も点が取りやすいテストで極端に悪い点数にならなければ、後々大きな痛手を被ることになる。間違いない。
2、3年生になってから通塾を希望する中学生及びその保護者の方と面談をすると、「1年生の時はもう少し点数が取れていたはずです」「点数が下がっていくばかりで」といったことを聞く機会がこれまでも多くありましたが、正直なところ、僕は1年生の最初のテストの点数は全く参考にしていません。内容自体も難しくなる秋や冬のテストの点数こそが、実力を測る上で適したものだという認識だからです。故に、1年生の最初のテストの点数を基準とし、「それくらいは取れるはずだ」といった考えのままでは、かえって中学生が自分自身を苦しめるだけではないかと思うんですね。そんな考えはさっさと捨ててしまった方がいい、いや捨てるべきだ、と。
甘い認識に無自覚のまま中学3年生の夏を迎えてしまうと、「1年生の6月の時の成績に戻ればまだ何とかなる」などという甘い誘惑が聞こえるのでしょうか。そういった幻想を抱く中学生、少なからずいるように感じます。しかも、夏頑張れば何とかなるといったような、これまた甘い認識もセットで。もしそのような状態だとしたら、志望校合格はほぼゲームオーバーだと思って差し支えないでしょうね。現実はそんなに甘くないんですよ。
「1年生の最初の頃はできていたんだ。だからできるはずだ。」などと過信してはいけない。中学生になる以前から問題を抱えていたという事実に、もっとフォーカスするべきでしょうね。