昨日、中学1年生の時から通ってくれている現高校2年生(※)の生徒からこんなことを言われました。
「最近、(生徒が)多くなったよね」
と。それで思い出してみたんです、その生徒が通い始めた頃のことを。そしてこれまでの歩みを。
プロフィールのページでも少し触れていますが、僕が塾を立ち上げたのはある意味で偶然の産物であって、最初から独立開業しようという野心で溢れていた、というのとはちょっと違います。何のノウハウもなく、教育関係の仕事に携わったことすらない人間です。いつかは、という思いはありましたが、その時点で塾を立ち上げようということまでは考えていませんでした。最初の生徒と一緒に勉強を始めたのは、前職を通じて知り合った方のお子さんだったからであって、その後近所の子供達が何人か来てくれるようになり、それなら教室として使えそうな場所を探すか、という流れになったんです。ただし、そこが大きな落とし穴でもありました。
何というんでしょう、開業バブルとでも言ったらいいんでしょうか(と言っても宣伝していた訳ではないです)、今の教室をお借りすることになった時は前職との掛け持ちではありましたが、10人くらいの生徒が通ってくれていました。しかし、1人また1人と生徒は減っていき、ある時ほとんど生徒がいなくなってしまったんです。それはそうですよね、素人同然の人間が最初から上手くいくはずはないし、本当に反省することばかりでした。
最初に触れた高校生の生徒が通ってくれるようになったのは、始めてから2年後のことでした。特に生徒が少ない時期で、方向性がまだまだ定まっていない時期だったと言えます。ですから、その生徒は塾としての方向性が定まっていく過程をずっと見てきたことになりますか。この間、多くの子供達との出会いと別れがありました。3年程前ですか、本当に入れ替わりの激しい時もありました。もうダメか、と諦めかけたことも1度や2度ではありません。でも、そういう時に限って、新しく何人かの生徒が来てくれたり、保護者の方が紹介してくださったりと、多くの方々に助けて頂きました。感謝しかありません。
これまで、春は卒業生を送り出した後、本当にこのまま塾を運営できるのかと不安に思うことが多かったのですが、有難いことに今年は今月末に卒業する7期生を送り出した後もこのまま運営を維持できます。4月からも生徒達と楽しい日々が送れるということです。本当に有難いことだと思っています。
ようやくこの1、2年で、自信を持って勉強が苦手な子、勉強が嫌いな子専門の塾だと言えるようになってきました。本当に対象をそういう子供達だけにしても良いのか、正直なところずっとそういう葛藤はありました。このままで良いのか、形を変えなくても良いのか、と。それでも、やはり子供達の「居場所」として、もっと突き抜けていこうと思えるようになったんです。そう考えるに至ったのは、今まで支えてくれたみなさんのお陰です。これからも勉強が苦手な子、勉強が嫌いな子供達と共に、日々楽しく、そして時に厳しく、ゆっくりとしかし着実に歩を進めていく塾でありたいと思っています。
※高校生は本来対象としていませんので、高校生になってからの新規受け入れはありません。中学生の頃から通ってくれている生徒で、自習の場として使いたいという場合にのみ、継続して通塾してもらえるようにしています。